岩手県宮古市訪問

だいぶ日がたってしまいましたが、9/29,30と岩手県宮古市の学童保育、保育所を訪問しました。

今回は2010年10月に「どうぶつしょうぎ」のイベントでお世話になった、北海道小樽市の玩具店「キンダーリープ」の店長杉本さんとご一緒させていただきました。杉本さんはキンダーリープ号という車にたくさんのおもちゃ(ヨーロッパに行って買い付けしているので、日本では珍しいものもたくさん!)やボードゲームを積み、北海道や東北の沿岸部などをまわって支援活動に取り組んでいます。

盛岡からレンタカーで2時間運転し、宮古市に到着。自然の豊かなとっても綺麗な土地で、またほとんど瓦礫も片付けられていて飲食店も営業していて、街は活気あふれていました。

まずは「藤原学童の家」を訪問し、わたしは「どうぶつしょうぎ」。杉本さんは「ネフの積み木」や不思議な動きをする「コマ」などを実演しました。

「どうぶつしょうぎ」はすでに学童に取り入れられていたので、皆でリレーしょうぎをしたところ、一手ごとに「こうだ!」「ああだ!」とみんな大興奮。二十数名のこどもたちがグイグイ前に押し寄せてきて「さがって〜!!」と指示しなければいけないほど。「わかった!」「いい手がある!」と発見したとき、みんなの目がキラキラと輝やいていました。

 

  



ほかにも将棋や杉本さん持参のゲーム(ワードバスケットがこの日大人気でした)であそび、児童全員にどうぶつしょうぎ、園には「どうぶつパズル」や「将棋盤」をプレゼントしました。

    



翌日は「常安寺保育園」の年長さんクラスにおじゃましました。こちらはどうぶつしょうぎがはじめてのおこさんばかりでしたが、やはり興味津々で集中してお話を聞いてくれています。 説明のあとはみんなで実際にプレイします。30分ほど枠を取っていたのですが、飽きずに繰り返しチャレンジしてくれていました。園長先生も「これ面白いね」と途中から参戦。

続いて「ネフの積み木」の実演です。こどもたちは積み木が大好き、そしてカラフルでフクザツなネフの積み木の奥深さに、大人たちからもどよめきがわきました。わたしも実はネフの大ファンだったので、実演見られてうれしかった〜。杉本さんのお話は流れるよう、歌うように楽しく、「ここからこれを乗せたらどうなるでしょ〜か」「どうしたら倒れないでしょうか」などと、数学的なクイズも出したり。自分だけで遊んでいるときにはわからなかった新しい楽しみ方を教えてくれる、そんなプログラムでした。

 



実演のあとは実際におもちゃを手にとって遊んでもらいました。やはりここでも積み木が大人気。他には「スティッキー」(愛子さまが遊ばれてたゲームですね)などの海外のボードゲームに触れられて、子供にとってとても貴重な機会だったと思います。

 



最後にキンダーリープさんから「コマ」を、わたしから「どうぶつしょうぎ」を全員にプレゼント。

また杉本さんのドイツの友人の方が被災地のこどもへ、とドイツ玩具をプレゼントしてくれました。

 

今回訪れた学童や保育園は、震災の直接な被害は無かったものの、100m手前まで津波が来て、2日間帰れず保育所で過ごしたり、学童や先生全員で隣の山に避難したそうです。保育士さんたちからは「ここも水浸しだった」という言葉ばかり聞きました。震災の被害の大きさとともに、たった半年でここまで綺麗に修繕したり、生活を取り戻す力に驚かされました。

保育士さんたちは被災されながらも、「みんなを楽しませる」ことが仕事でもあるので、福祉や支援活動を自ら続けていました。その苦労話や笑い話もたくさん聞かせていただきました。

今回とてもよかったのは、杉本さんや宮古の社会教育福祉協議会の方々とご一緒させていただいて、「どうぶつしょうぎ」「将棋」だけでない別のジャンルのものと一緒に活動できたことです。普段から保育園などはまわっていますが、他の遊びと一緒に教えることによって、こどもたちの反応もすごく違いましたし、自分自身もとても刺激を受けました。こどもの反応や接し方もためになることばかりでした。またジャンルは違えど、根底で考えてること、目指していることに近いものを感じて勇気づけられました。

いろんな場所で、はじめて出会う人達と、分野の異なる世界と、すぐに溶け込めるのが「どうぶつしょうぎ」の強みだなあとあらためて感じました。

 

キンダーリープ店長さんのブログにもこの時の記事があります。杉本さんの生き方は私の憧れです(笑)。

今日もどうぶつ将棋 http://www.kinderlieb.info/blog/archives/2011/10/01000809.php 

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オトナの社会科見学〜印刷工場に行ってきました!#2


 



さてさて、刷る現場見学に引き続いて、特色インクの現場におじゃましてきました。

さっきの印刷機はCシアンMマゼンダYイエローKブラックの4色のインクをそれぞれ何%か組み合わせて印刷していたのですが(家庭用プリンターも大抵こんな感じ)、ダイレクトに「この色」とインクを指定するのを特色と言います。

ここでわたし、特色といったらDICかPANTONEしか扱ったことがなく、そんなメジャーなインクだったら、DIC154とか書かれた缶詰があって、それを使って印刷してるのだと思ってました。でも現場にあったのは、ぜんぜん違う缶詰でした。

 



「えっ!! 『ブルーナ にんじん』!? いきなりそれオンリー!?」

 



公文グリーンとか、岩波文庫浅葱、とかそんなんばっかり。

そうかあ。そういう世界だったんだ。

「ぴえこピンク」とか「ライオンのたてがみ」とかいう缶詰を妄想してみる…(笑)。

 



インク作りは大変な作業なので、過去に作った書籍の特色がこうして保管されていました。精興社さんのインクの在庫はかなり豊富で、震災後も不足に困らなかったそうです。

 



さて調合の方法について、解説していただきました。手に持っているのが私たちも普段お世話になっているDICの色見本です(これがコート紙だけで刷られているので上質系に当て込む時結構意味なかったりする、というお話もしていて「そうそう!」と思いました。色見本の世界はこの情報化時代に全く進化してなくてどうなのと思ってます……)。お客様から指定のあった見本チップを右上の紫のガッチャンコ機械で読み取ます。そうすると一瞬で右下のパソコンに解析結果が出て「あのインクが何%で…」と教えてくれ、それを参照して調合に入ります。

 



うおーーーーーー!!!練ってる!!!練ってる!!!!

見たかった調合現場だー。こういう風にやってるんだー。

ここで面白いなーと思ったのは、最新の技術で解析しつつも、最終的にはこういう職人の腕で仕上げているところです。「インク一滴だけで全然変わってきます」それはやっぱり機械じゃだせない味なのかもなー。

 



調合中、なんども実際の紙にインクを染みこませて確認します。色んな用紙の切れ端がいっぱい置いてありました。ゴミ箱にもたくさん。紙見てるだけで幸せな人、ここに来るといいよー。

 



やっぱり職人の「目」で確認します。

#1のエントリーにも書きましたが、職員の方の真っすぐな説明や、真剣に向かっている姿を見て、いろいろ考えさせられました。いつも「納期が」「予算が」「まだ駆け出しだし」みたいなことにとらわれていて、自分のイメージをしっかり伝えることもせず、妥協してばかりだったなあと。1回や2回という限られた色校正でも、もっと出来ることがあったんじゃないかなあと。でなければこんなに必死でお客さんの要望を再現しようとしている人達に申し訳ないなあと。

ただこんな風に何度も繰り返し本紙と本インクで試すことができるのって、本当に贅沢なことですよね。中国で生産するとそもそも紙の色が日本の白と違っていたり!一度でいいから納得いくまで試してみたいなあ。

 



こちらは昔のフィルム(版のようなもの)を保管しているところ。

精興社さんの見学、本当に面白かったです。誰でも知ってる「ぐりとぐら」や「おおきなかぶ」を何十年も刷り続けている現場ならではのアレコレを拝見できました。絵本というのは人の心に残る繊細なもの、長きにわたって引き継がれていくものだけに、緻密な作業が必要で、だからこそ生まれる職人としての誇りがあるんですね。社長さんから現場の方まで、どの方も活き活きと働いて、平易な言葉で熱く印刷技術について語ってくれました。

初版を再現するというこだわりについては「子どもに買ったお母さんから、自分が読んだ時はこんなイメージじゃなかった」という意見を本当にいただいたりするからだそうです。

使い捨てじゃない物を作っているというのは、クリエイターとしてとても士気が高まる現場じゃないかなあ。うらやましい!ここで働きたい!(そういえばつなぎを着た女性職人は居なかったな)

その後は神田の事業所に寄り、版下作成の現場を見学しました。Photoshopで最新かつ細心の調整をして、そのデータを職人さんが手で仕上げていく。つくづく面白いです。

私はアウトプットの末端に居るのが好きです。販売だったらお客さんの顔が見える売り子とか、タイトル戦だったらユーザーに近い中継記者とか。

デザイナーをやっていて何が嬉しいかといえば、原稿仕上げて校正かけて色々やって、最終的に自分の手元で送り出す、最後の姿を確認できるところ。

でも印刷現場はもっともっと末端だよなあ。最後に立ち会えるよなあ。予算だとか営業だとか考えずに、モノを作ることだけに集中できる。あれ?私がやりたいのはこっちなのか?

将来つなぎ着て働いてたらすみません(笑)。

精興社さん見学ツアー、デザイナーの@yamo74さんもレポートしています。わかりやすい!プロの目のレポートはこちらから。→印刷が好きです・精興社見学Vol.2

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オトナの社会科見学〜印刷工場に行ってきました!#1

10/28にライターの古田靖さん(@tekigi)やデザイナーの方々たちと「オトナの社会科見学ツアー」に行ってきました。

 



憧れの、印刷工場です!!きゃ〜〜☆

すみません、たぶん一人だけミーハーノリでした。

日頃から、いっそのこと家に印刷機が欲しい!!自分で特色作りますから!!と思っている私にとっては

右見ても左見ても萌えポイントばかりなんです……。

 



CくんMくんYくんKくん登場!!!

印刷工場は以前「するところ」という墨田区の印刷所兼アートスペース(閉鎖になっちゃった・涙)で「ぼくとわたしのしょうぎ」を行った時に見学させていただいたことがあったのですが、今回おじゃまさせていただいた「精興社」さんの朝霞工場はすごく大きくて歴史のある、本格的な工場でした。

 



主に絵本を印刷されている現場ということもあって、発色へのこだわり、緻密な仕事ぶりはすごかったです。機械の音しか聞こえない現場なのに、皆さんの集中する姿にものすごい熱気を感じました。こんな職場で働きたいなあ…。

 



原本(精興社さんでは全て初版本を参照するそうです)との発色の違いを調べているところ。手前のデジタル数値はCMYKの細かい設定のようです。ちなみに、右と左の区別つきますか?右が若干赤が強い気もしますが…私なんか色校でこれ見てもきっとスルーしてると思います。「これはダメだね」とばかりにすぐやり直ししてたのみて、ここまでやらないと自分もだめだなと思いました。

 



網点の一個一個も逃さんという気迫でした。

 



流れ作業のように見える「刷り」の部分も、人の手を入れつつ一枚一枚くっつかないか、ズレがないかを細かく確認しています。一瞬足りとも気が抜けない空気を感じました。

 



本紙に刷る前に、色の出方が落ち着くまで、このように過去に使った紙に何度でも繰り返し試し刷りをしています。これを「ヤレ」と呼ぶそうです。今回わたしはこの「ヤレ」萌えになってしまい、ヤレの写真ばっか撮ってました。というか欲しいです。色んなデザインが重なりあって、なんとも言えない面白みがありました。色校正の折らない紙も捨てられないんですよねえ。ヤレが手に入ったら壁に飾りたい…。

 



CMYKをポンプで組み上げてるところ。キタ――(゚∀゚)――!!とばかりに撮影するわたしに他の人達苦笑していたような…?

 



ちょっとこれなんですか!!特色ですか!!!残骸にシャッターを切りまくる私に「会社としてはちょっと恥ずかしいんですけど・・笑」。すみません!!萌えてごめんなさい!!!というか一個欲しかった。

 



こちらはPPをかける現場です。PPの機械じゃなくてヤレを載せてるし。長くなったので、ハイライトでもある特色の調合現場は別エントリーに。

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いっぷくde亀将棋

 

 



いつもお世話になっている「深川いっぷく」さんで、 久しぶりにイベントをやります!

11/13(日)14:00〜20:00(ラストオーダー19:00)「いっぷくde亀将棋」

場所:深川いっぷく(135-0021 東京都江東区白河3-2-15 東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線「清澄白河」駅下車)

席料:1500えん(ワンドリンクつき)

といっても亀将棋です。どうぶつしょうぎの亀バージョンです。

去年「どうぶつしょうぎでいっぷく」の時に「亀吉倶楽部」のyunさんがどうぶつしょうぎを

とっても気に入ってくださって、「ぜひコラボして亀将棋やりましょう!!」というお話をいただきました。

亀吉倶楽部というのは、「亀のようにゆったり生きよう」をスローガンに活動しているアーティストの皆さんたちで、年に一回深川いっぷくで「亀フェア」なるイベントをやっています。亀の甲羅を背負いながら(リアルで!)亀グッズに囲まれて、亀の形のマカロンを食べつつ、亀バンドの演奏を聴いたり…亀のようにウォーキングしたりしる…なんだかすごい!そこに今回将棋が紛れ込みます。

亀吉倶楽部さんがの立体亀将棋、制作途中ですがこんな感じです。

 



亀の上にちゃんとひよこたちが乗っけてもらえるみたいです。楽しみだあ!

わたくし、ピエコも亀将棋作ります。こちらはイラストだけの二次元ですが。ウミガメとリクガメにして!とリクエストあり。

藤田が挑戦をお受けしますので、腕自慢の方も大歓迎。いっぷくのご主人さんによると「亀将棋って言えば、亀の人達は相当来ますよ」ってことでしたが…亀の人達って何!?何がおこるの??普段と違うイベントになりそう〜。

当日は亀をモチーフにスイーツを作ってくださる職人さんや、銀座の珈琲の銘店さんも参加して、亀cafeも併設します。ゆっくりお茶を飲みながら、亀将棋であそんでください。午後から夜までやってますので、好きな時間にいらしてくださいね。

亀吉倶楽部さんのホームページ:http://www.kamekichi.net/

亀スイーツを制作してくださる宝理さんのホームページ:http://va-au-four.holy.jp/index.htm

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回文フォトブック『よりどりよ』

 



短歌や回文作家の羽根弥生さん(@kurotoracchi)さんと、

将棋界でもおなじみカメラマンの松本博文さん、

実は同級生という3人組で、コラボして電子ブックを作りました。

『黒猫文庫』第一弾は回文フォトブックです。タイトルは「よりどりよ」。やっぱり回文です。

ブクログのパブーさんで、無料で閲覧できます。

「よりどりよ」http://p.booklog.jp/book/32560

松本さんの写真は将棋の仕事でよく見ていたのですが、渡された膨大なHDDの中には、まだ世に出てないたくさんの「何気ない」写真がいっぱいありました。ああもったいない!もっとみんなに見せたい!といつも思ってたので、羽根弥生さんが回文と一緒に写真集にしたいと言っていたのを聞いて、ぜひやらせて欲しい!とお願いしました。

仕事が遅くてたっぷりお待たせしてしまったのですが、わたしは弥生さんのつむぐ言葉が本当に大好きで、紹介できるお手伝いが出来てとてもうれしいです。

第二弾第三弾もあるといいな〜。あとやっぱり紙モノでも出したい!

webのほうはサイズに縛りがあるのですが、PDFで大きく閲覧もできます。お手数ですがぜひお試しくださいませ。

iPhone/iPadで読む方法

iPhone/iPadから直接ダウンロードして読む方法

Androidで読む方法

Kindleで読む方法

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おしらせまとめ

6/25発売「タウン誌深川」”下町ひと模様”でインタビューが掲載されました。


<教室>
◯毎月4回 「深川こども将棋教室」 …8/3(水)、8/9(火)、8/23(火)、8/31(水) 富岡北集会所にて
◯毎月第二第四土曜 「いっぷくde将棋入門
7/30、8/27(土)、8/13(土)はお休みになります@深川いっぷく
◯第三月曜 江東区・平野児童館

<イベント>
◯9/3 (日) 東京おもちゃ美術館・どうぶつしょうぎ親子ペア大会
◯8/5(金) サイエンスライブ枚方 どうぶつしょうぎであそぼう



<グッズ>・『親子ではじめるしょうぎドリル』  ・「おおきな森のどうぶつしょうぎ

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