さてさてようやく本番です。
開始は13時ですが、夜が明ける頃からシール貼りなどして準備してました。
初日ということで着物を着ました。ホテルから出ると「オハヨウゴザイマス!」と声かけてくれた人が。
でも基本、この国はお互い好きにやったらいいのさ、のスタンスなのでしょう(想像)、変に物珍しがることなく、淡々と接してくれます。
とっても居心地いいです。
会場に着くとフランス将棋連盟の方々がすでに多面指しのフル稼働。地元の学校がグループで見学に訪れていました。挨拶もそこそこに、私たちは設営!!そちらは普及!!あ・うんの呼吸?で黙々と向きあいます。なんだ、いつものイベントと変わらないじゃん、と早くも思いました。安心感があるんですね。この人たちにまかせておけば大丈夫、という。
写真のように、どうぶつしょうぎを現地の方も熱心に勧めてくれて、こどもたちも興味津々です。日本と違うのは、何人かの組で来て、こどもたちだけでワイワイと最初から遊んでくれること。こちらが「指導しますよ」と手を出さなくても、自主的に「これはどういう動きかな?」と取り組んでくれるんです。
どうぶつしょうぎ一回だけで、早くも「この大きい方をやりたい!」と挑戦してくれました。
9×9でも、全然教えなくてもどんどんやってくれます。
駒をどうぶつ化したのは、最初にこちらの本将棋版が先でした。でも盤駒が大きすぎて手作りしにくいことや、中身が将棋のままなので、やっぱり難しくて教えにくい、ということで、北尾まどかさんが考えた3×4のどうぶつしょうぎのルールと合わせて、初めて日本では普及の効果が出ました。
どうぶつ駒は見た目かわいいけど、実際のところ普及にはどうなんだろう?やっぱり伝統のものではないから抵抗ある人も多いかなあと思っていたところ、このフランス行きの話があり、「漢字に馴染みのない海外では、役に立つんじゃないか」と思い試作品を作ることにしました。やっぱりモノがあれば、実際反応がわかりますしね。
この男の子はチェスのレーティング2000?ぐらいあって、昨日のトーナメントにも出ていました。将棋に興味を持ってくれて、毎日通い詰めてくれたんです。とってもセンスが良くて、良く考えて、目がキラキラしていて。「ああ将棋好きになってくれてるんだなあ」という過程が彼の姿からひしひし伝わってきました。写真で見ると最初はこのどうぶつ駒からスタートしたんです。最終日にはどうなっていたか、、レポートをお楽しみに。
どうぶつしょうぎといい、この駒といい、ごくごく自然に異国のイベントに溶け込んでいる姿を見て、「プサン!」(ひよこ)「ジラフ!」(きりん)と、当初想像もしていなかった言葉が交わされているのを見て、ほんとにこみ上げるものがありました。「I’m so happy!」とエリックに言ったら、「そうか!」と深く頷いてくれました(笑)。ライオンくんもうれしはずかし、ちょっとほこらしそうに私の目にうつりました。
さてここで今回のお仲間たちをご紹介。
左がフレデリック、右がニコルです。二人は、暇さえあれば「どうぶつしょうぎ」を指していました。もちろん将棋の普及の方もフル稼働で、気配り全開。でも合間を見つけると、自分たちも楽しんじゃうんです。聞けば、朝も、夕飯時も、やってたとのこと。まるで社団戦後にも延々将棋指してるアマ強豪みたい、と思いました。
その甲斐あって、日一日とコツをつかんだみたいで、特にフレデリックはどうぶつしょうぎとっても強かったです。将棋もアマ三段。
フランスの方たちは、とっても親日的。「どうぶつしょうぎ」のこともよく調べてくれてるみたいで、ちゃんとみんな「どうぶつしょうぎ」と発音しています。またフランスではじゃんけんのことを「ひふみ」とか「Un Deux Trois(あん・どぅ・とろぁ)」と言うようですが、「じゃーんけーんぽん」と言ってたのが右のニコル。とってもやさしいニコルは、負けても負けてもニコニコと挑んでいてかわいかった!ニコルは日本大使館で将棋を覚えたそうです(何かのイベントがあったようです)。
こちらはジル。ジルとは駒落ちで将棋をさしました。とってもやさしいエピソードはまた後日のレポにて。
ジルと指しているのは天竺将棋を研究されている方で、将棋の駒をあるだけ欲しい、天竺将棋にして遊ぶから、と言ってました。世界のマニアはスケールが違います。
彼が今回私たちの通訳をつとめてくれたセバスチャンです。「将棋を世界に広める会」がフランスに「どうぶつしょうぎ」を1カートン送ってくださり、そのお礼として彼を派遣してくださいました。ほんとに大活躍してくださって、感謝感謝です。
セバスチャンはまだ若いのですが、今はドイツに渡り日本語の翻訳の仕事をしています。高校のときに栃木にホームステイしていたことがあり、大学は東京外国語大学、ネイティブ100%といってもいいぐらいの日本語力です。ちょっとした小ネタや、笑いのツボなどが、どう考えても日本人に見えました。「ひょっとしてお笑い好きですか?」と聞いたら「レッドカーペット系の一発ネタよりアンジャッシュとかが好きですね」という答えで、おねえさんの好感度はますます上がりましたね。「みんみんより正嗣派ですね」とか「好きな音楽は矢野顕子の「ごはんができたよ」とか東京事変です」ということで、何と言うか「それは話が早いですね(ニヤリ)」という感じです。心の中でお友達認定。
セバスチャンも仕事を待っているのではなく、自分から率先してインストしています。最初この人が通訳と気づかないほど働いてました。で、遠くで私たちが困っていると、何故か空気を察して飛んできてくれます。
みんな誰に頼まれたわけでもなく、率先して「将棋」と「どうぶつしょうぎ」をどんどんどんどん教えてて、本当にすごいと思いました。彼らの姿勢は日本に連れてきても貴重で、即戦力になることだろうと。
そして、一日が終わる頃には、さっきはじめて覚えた人が今度は別の人に教えていくという光景が見られるのでした。
ゲームフェスティバルは伝統ゲームの他にも、メーカーのおもちゃや新作ゲームのコーナーがあります。小さなこどもとお母さんが対等にゲームで遊んでいる姿がよく見られました。
こちらがテーブルサッカー。おもちゃ美術館と変わらないなあ、なんて思ったり。
ギガミックの「QUARTO!」。大きいバージョンはかわいいー!でもおもちゃ美術館にはこれよりもっと大きいサイズがあります。日本でも売ってますが、現地の方が安いので買ってしまいました。
同じくギガミックの「マラケッシュ」。
ところでマラケッシュもノミネートされていた、日本ボードゲーム大賞ゆうもあ賞を「どうぶつしょうぎ」が受賞しました。とても光栄です。
http://www.u-more.com/project/jbp2009/u2009.jsp
これは何のゲームかなあ?知らないものがいっぱいあったけど、でもどれも意匠が素敵なんです。手に取ってやってみたくなるって大事だと思いました。
数独はフランスでも超メジャーでした。
HABA社のブース。よちよち歩きの子もたくさん来ていました。
でもなんといってもマダムですよ!!こんなに真剣に、お洒落なマダムがチェッカーや麻雀をやってるなんて、いい国だなあと思いました。
日本で高齢の女性二人連れで、ゲームに参加ってあんまりないような・・?どうぶつしょうぎや将棋もいっぱいやってくれましたよ、マダム二人組。
まどかさんはバックギャモンでもお友達を作ってるようでした。ゲームが出来ると沢山交流出来てうらやましいですね。
20:00閉会。フランスの夜はここから。遅くて長いです。日本で言うと、夕方から早朝5時ぐらいまでイベントやってたような感じなので、オールナイトでクラブで遊んでいるような感じでしょうか(笑)。大変にグロッキーだったので、一人でホテルで眠りました。まどかさんはカンヌのゲーム大賞授賞パーティに行きました。ニコル達はパンケーキ屋でどうぶつしょうぎに明け暮れていたそうです。
イベントはあと3日続きます。